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 社内の違法残業に対して防止措置を取らなかったとして、労働基準法違反の罪に問われた広告大手・電通(東京)に対する初公判が22日、東京簡裁で開かれ、法人を代表して山本敏博社長が出廷した。大企業のトップが違法残業事件で出廷するのは異例。法廷で明らかになった電通の悪質な長時間労働の実態とは。

 今回は簡裁の裁判だが、多くの傍聴人が詰めかけることが予想されたため、傍聴席が多い東京地裁の法廷で開かれた。600人近い人が傍聴券の抽選に並び、38席の傍聴席はすべて埋まった。

 初公判は、予定時刻の午前11時の少し前に開廷した。最前列の端には、新入社員だった娘、高橋まつりさん(当時24)を過労自殺で失った母親の幸美さん(54)が黒いスーツ姿で座り、ノートに法廷でのやりとりをメモしていた。

 法廷では、検察官が捜査段階で幸美さんが語った調書の概要を読み上げた。その中で、高橋さんが自殺する前に幸美さんに、仕事の苦悩を訴えたメールの内容が明かされた。

 「がんばるけど、死なない程度にがんばる」。「仕事がきつくてやめたい」。「自殺しようと考えたけど、できなかった」

 幸美さんは検察官の声を聞きながら、めがねを外すと、口を真一文字に結んで山本社長らが座る被告席の方を見つめた。

 山本社長は公判の冒頭から、幸美さんの存在を意識していた。菊地努・簡裁裁判官に促されて証言台に向かう際、傍聴席の幸美さんに視線を移し、立ち止まって一礼した。

労基署から勧告・指摘 「抜本対策とらず」

 公判で、検察官は、電通が違法残業が全社で常態化していたのを知りながら、対策を怠り、摘発を逃れようとした実態を指摘していった。

 「被告会社(電通)では『クライアント(顧客)ファースト』として、困難業務であっても引き受け、深夜残業や休日出勤もいとわないという考え方が浸透していた」

 電通では2014年と15年、…

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