拡大する写真・図版 天の川や星座が描かれた天球儀=京都市上京区、佐藤慈子撮影

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 本屋大賞に輝き、V6の岡田准一さん主演で映画化もされた冲方丁(うぶかたとう)さんの歴史小説「天地明察」。江戸時代の囲碁棋士で天文暦学者の渋川春海(はるみ)が、平安時代から使われてきた暦の誤りを指摘し、天体の運行に基づく日本独自の暦を作り出す物語だ。

 その春海が自作した「天球儀」が陰陽師ゆかりの大将軍八(だいしょうぐんはち)神社(京都市上京区)に保管されている。

 宝物館(方徳殿)の2階に展示された地球儀のような球体がそれだ。春海が1673年につくった我が国最古の天球儀と同じ頃の作と見られ、和紙を張り子にした球面を天空に見立て、色分けした鋲(びょう)で星や星座などの位置が表されている。その数星座が377、星は1739個におよび、銀河は金砂子がまかれている。

 天球儀は、春海とともに改暦に尽力した土御門(つちみかど)家に仕えてきた皆川家に伝わり、他の天文関係の資料とともに1985年に神社へ寄進され、京都府の指定文化財となっている。

 この神社では、陰陽道の宇宙観を、星をつかさどる神像80体を並べて表現した「立体星曼荼羅(まんだら)」(国重要文化財)も公開され、天文ファンならずとも奥深い世界に誘われる。生嶌(いくしま)宏盛宮司(41)は「専門的な世界だが、その価値を知ってもらうきっかけになれば」と話す。(久保智祥)