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 大阪大学病院(大阪府吹田市)は、従来より感染症が起きにくい国内で未承認の補助人工心臓を、重い心臓病の男性(60)に装着することに成功したと、30日発表した。保険外の治療に伴う診察や検査を例外的に公的医療保険でまかなえる国の「患者申出(もうしで)療養制度」が、医療機器で初めて適用された。

 この制度は国内で未承認の薬や医療機器を使いたい患者の要望に応えるため、規制緩和の一環で昨年始まった。人工心臓は高額で心臓移植を受けられる人しか保険適用されない。同病院は2月、心臓病以外の病気などが理由で移植を受けられない人がこの制度を使えるように、国から承認を受けた。

 男性は昨年末に心筋症が悪化。別の持病で移植の対象外だったため、同制度を使って5カ月前に手術を受けて、歩ける状態まで回復した。装置の費用約1600万円は全額自己負担だが、検査や入院の費用は保険適用された。この日退院した男性は「身の回りのことが自分で出来るようになったことが一番うれしい」と語った。

 新型の装置は心臓に取り付けたポンプと体外の電源を結ぶケーブルが、頭部の耳の上から体外に出ているのが特徴。体内のケーブルを頭部まで延ばし、頭蓋骨(ずがいこつ)に固定した器具を介して外部のケーブルと接続する。感染が起きにくく、入浴できる。この装置の使用は国内では男性が初めてで、同病院は今後、装置の安全性や効果を検証していく。従来タイプはおなかに開けた穴にケーブルを通すため、感染が起きやすく、入浴できない。

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(阿部彰芳)