拡大する写真・図版 大塩平八郎は「檄文」で幕府の役人や豪商を批判した=大阪市北区、大塩家の菩提寺・成正寺所蔵

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 大坂東町奉行所の元与力の陽明学者が、幕政を批判して蜂起した幕末の「大塩平八郎の乱」。大塩が「義人」だったかどうかは、研究者だけでなく文学者の間でも見方が割れている。

 1910(明治43)年に出た幸田成友(しげとも)の研究書「大塩平八郎」。作家・幸田露伴の弟で、大阪市史編纂(へんさん)主任として「大阪市史」全5巻をまとめた歴史家。「大阪は天下の台所である」と書き出されたこの本は、市史編纂過程で探した史料をもとにした実証的な内容だ。大塩は「一代の偉人なり」と評価している。

 森鷗外は幸田の本を「一番多くの史料を使って、一番精しく書いてある」と評価し、自らも小説「大塩平八郎」を書いた。大塩が蜂起した日の出来事を「史実に推測を加えて」作品にしたという。山本周五郎にも「大塩平八郎」という戦前の短編小説がある。こちらは大塩を「偉人伝中の人ではない、悪く云うと一種の奇人であろう」と書く。

 不思議なのは、大阪にこだわり、終生大阪の地を離れなかった司馬遼太郎に大塩を主人公にした作品が見あたらないことだ。そう思っていると、元NHK記者で東京に住む古屋成正(なりまさ)さんから次のエピソードを教えてもらった。古屋さんは松原誠の筆名で「天討(てんとう)―小説・大塩平八郎の乱」を2002年に出版。題名は蜂起にあたって大塩がしたためた「檄文(げきぶん)」にある「天命を奉じ天討を致す」にちなむ。

 大阪の「大塩事件研究会」と交…

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