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 富士山が噴火して、首都圏に火山灰が降った場合などに備え、政府は対策の指針を新たに作る方針を固めた。経済被害は最大で2兆5千億円と想定されながら、火山灰への対策はほとんど手つかずだとして、年内にも有識者会議を設置して議論を始める。

 富士山の直近の噴火は、1707年の宝永噴火。この時、火口直近では3メートル、現在の横浜市で約10センチ、東京都心でも数センチ積もったとされる。内閣府は2002年、富士山で同規模の噴火があれば、交通機関のまひなどによって最大で2兆5千億円の経済被害が出ると推定した。

 火山灰は、噴出した溶岩などが砕けた粒。数ミリ積もるだけで交通網に大きな影響を及ぼす。重みによる家屋の倒壊や、電子機器や送電設備の故障なども懸念されている。宝永規模の灰の処理量は東日本大震災で発生したがれき総量の65倍に達するという試算もある。

 国内では、1914年の桜島大正噴火以降、降灰による大きな被害はないとされ、具体的な対策は現在、準備されていない。

 内閣府は、鹿児島で取られている桜島の降灰対策を踏まえたうえで、降灰量の多い地域では建物の種類と倒壊のリスク、利用可能な交通手段などを考慮して避難方法を検討する。通信インフラや建築物などへの影響についても、最新の知見をまとめて指針をつくり、市民や企業の対策を促す方針だ。(竹野内崇宏)