イシグロ文学、日英どちらの文化とも距離 選考側が語る
ストックホルム=下司佳代子
ノーベル文学賞の選考をするスウェーデン・アカデミーのサラ・ダニウス事務局長は5日、文学賞を授与したカズオ・イシグロさんについて、朝日新聞などの取材に答え、世界の人々に受け入れられる「イシグロ文学」の魅力を語った。
日本のルーツや文化の影響を作品に感じるかとの問いに、「彼は以前、『日本で生まれて英国で育ったので、どちらの国や文化とも一体感を持ったことはない』と語っていた。だからこそ彼は、どちらの文化とも一定の距離をとることができる」と話した。
また、「彼には、とても控えめで、何かに影響を与えようとしない独自の文体がある」とした。一方、「読者は読み進めるに従って、詳しく書かれていない登場人物の過去を発見していく。それはとてもドラマチックで、控えめな文体と対照的であり、読む人を感情的に引きつける魅力になっている」と話した。
ダニウス氏は最も好きな本と…
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