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 10日公示の衆院選では、解散時勢力と公示前勢力が大きく異なっている。通常は解散時と同じ政党の公認を得て選挙に臨むためほぼ同じだが、今回は最大野党の民進党が事実上解党し、公示までに新党が二つ誕生。多くの立候補予定者が政党を移る異例の事態となったためだ。

 9月28日の衆院解散時に88議席あった民進党勢力は、直前に誕生した新党「希望の党」への合流で激減。公示前勢力の7議席は今回不出馬の前職だけだ。

 民進党勢力の行き先で最多は希望の56人。これに対し、新党「立憲民主党」には民進前職14人が合流した。どちらの新党からも公認を得ない民進党の岡田克也元代表や江田憲司前代表代行ら前職も一定数おり、無所属は37人まで膨らんでいる。

 一方、自民党は同一小選挙区で競合する党所属の前職らに公認を出していないケースもあり、解散時に比べ、公示前勢力は8減。自由党の小沢一郎、玉城デニー両氏は今回、無所属で立候補することになり、同党の公示前勢力はゼロとなった(数字はいずれも8日現在)。

 衆院選では通常、前職は解散時に所属していた政党の公認を得て選挙に臨むことが多いため、解散時と公示前の勢力はさほど変わらない。新たに公認を得たり、公認が出なかったりして増減する程度だ。例えば前回衆院選では、解散時と公示前が異なった政党は自民と民主の2党。公示前と解散時を比べると、自民党は2議席減り、民主は7議席増えただけだった。

 解散時勢力と公示前勢力が大きく異なった前例は2005年の郵政選挙だ。自民党は郵政民営化法案に反対した造反議員を公認せず、解散時に249あった議席が、公示前は212に減った。ただ、衆院事務局のベテラン職員は「解散後に野党第1党が大きく割れてなくなり、短期間でここまで勢力図が一変したのは記憶にない」と話す。(田嶋慶彦)

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 〈解散時勢力と公示前勢力〉 解散時勢力は、衆院解散時点で各党に所属していた議員の数。公示前勢力は、政党の公認を得ている前職(不出馬の前職を含む)。解散後に政党間を異動した人数を反映する。選挙後の新勢力との比較対照のもとになる。