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(8日、東京六大学野球秋季リーグ戦 東大8―7法大)

 東大のマウンドにいた宮台康平(4年、湘南)は左翼手が飛球をつかんだのを見届け、左拳を強く握りしめた。ベンチから飛び出してきた仲間と、ほっとした表情を浮かべ、抱き合った。

 15年ぶりの勝ち点を奪った。「これを目指してきたのでとてもうれしい。達成感があります」と宮台はしっかりとした口調で言った。前日に完投勝利を挙げた左腕は、この試合も一回から準備はしていた。そして、5点差の六回から登板し、「野手に助けられた。気持ちで投げた」。六、八回に1点ずつを失い、九回も2失点で1点差。最後は2死二、三塁のピンチだったが、「まっすぐが自分の一番のいい球。悔いなく投げたかった」と最後までマウンドを守った。

 東大はしっかりと打った。「初回が大事とチームに言っていた」という主将の山田大成(4年、桐朋)が一回、2点目を奪う適時打を放ち、ほえた。9月9日の開幕直前の練習試合で右手首付近に死球を受けて骨折。全治2カ月と診断されたが、「完治を待っていたら引退しちゃう」と先週の早大戦から強行出場していた。四回に価値ある3点本塁打を放った田口耕蔵(4年、西大和学園)は打席で狙った球を振り切った。「投手が粘っていたので点がほしいところ。分析チームを信じた」と変化球を待った。代わったばかりの法大・熊谷拓也(4年、平塚学園)の初球のカットボールを左中間席に運んだ。

 浜田一志監督は、「この代が入ってきたときから、しっかりと育てないといけないと思っていた」と期待をしていた。主将の山田は1年生から出場しているなど、低学年から出場経験がある選手が多い。また、浜田監督は「東大だから頭脳プレーではない。選手は努力を続ける才能がある」と攻守の練習以外にも、ほかのチームと同じように食事の量の管理や筋力トレーニングなどをしっかりと課してきた。2013年から采配を振るっている浜田監督は「七転び八起き。8度目の挑戦で一つの形として出た。8―7のルーズベルトゲーム。何か因縁を感じます。普段、選手を褒めませんが、きょうはよくがんばった」と少し目を赤くして語った。(坂名信行)

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 〈東大野球部OBの遠藤良平・日本ハムGM補佐の話〉 仕事で見に行けませんでしたが、試合の後半からはネット中継で見ていました。法政に連勝というのはすごいこと。両チームとも打線が点を取って。中身のあるいい試合。強いチームだと思います。大学野球は勝ち点を取るためにやっていて、一つの勝利とはまた違い、格段に重みがある。選手たちも喜びを感じているだろうし、おめでとうございます、と言いたいです。