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 福岡県久留米市の靴メーカー、アサヒシューズが19年に及んだ経営再建の手続きを今春終え、再出発の道を歩み始めている。学校の上履き靴で全国に知られた老舗が打ち出す、復活のキーワードは「健康」。こだわりの靴づくりを、若い職人が支えていく。

 福岡市早良区、市営地下鉄西新駅のそばにある靴店「vivi」。入り口近くの目立つ売り場に、花柄の金具がアクセントになった靴が並ぶ。添えられたPOP広告には「福岡県産」の文字が踊る。

 アサヒが力を入れる高齢者や障害者向けのブランド「快歩主義」だ。片足165グラムからと軽く、甲の部分には大きな面ファスナーを付けて脱ぎ履きしやすくした。つまずきにくいようにつま先とかかとの部分を浮かせるなどの工夫も詰まっている。

 「福岡県産」を体現してすべて本社のある久留米市の工場で作られており、2000年の発売以来、全国で800万足以上を販売してきた。日本デザイン振興会の「グッドデザイン賞」も01年に受賞。「親へのプレゼントに」と買い求める中高年層も多いという。viviを営む多井由美子さん(49)は「おしゃれを楽しみたい高齢者向けにデザインも多く、自信を持って薦めています」と話す。

 タイヤメーカー、ブリヂストンのルーツでもあるアサヒシューズは、1998年に経営破綻(はたん)を経験している。学校の上履きなど「学童靴」で国内トップを争うメーカーだったが、安価な輸入品に押されて次第に業績が悪化。関連会社への無理な貸し付けや粉飾決算、多額の役員報酬といった放漫経営も響き、抱えた負債は当時の売上高の約2倍、1300億円にのぼった。

 再起の模索から生まれたのが「快歩主義」だ。「再建を引っ張る、軽くて歩きやすい商品を生み出そう」と社員が部門の垣根を越えて知恵を絞り、理学療法士らの助言も受け、約1年かけて作り上げた。更生管財人を務め、今年4月に会長に就いた木上(きがみ)勝征(かつゆき)氏(78)は「快歩主義のヒットがなかったら、再建を断念していたかもしれない」と振り返る。

 06年には、かかとの特殊な部品でひざの負担を軽くする「アサヒメディカルウォーク」も発売し、これもヒット。高齢化が進み、健康志向が高まる時代のニーズをつかんだ。いま、二つのシリーズで売上高の約40%を占める。一方、学童靴の割合は約15%に減った。

■「国産」こだわり、若手…

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