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 動物写真家として世界各国を飛び回っている岩合光昭さん。そんな岩合さんが「大好き」な猫を撮った映画「劇場版 世界ネコ歩き」が、21日に公開されます。公開を前に、猫の魅力や映画の見どころについて聞きました。

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 「岩合さんといえば猫」

 こんなイメージを強く持たれるきっかけにもなったのが、NHKBSプレミアムで放送されている人気番組「岩合光昭の世界ネコ歩き」だ。

 映画は、この番組の劇場版。これまでに撮りためた未公開シーンのほか、劇場版として新たに撮影した映像を加えて再構成した。

 撮影するとき、岩合さんは猫と対話しながら少しずつ猫との距離を縮めていく。猫の自然な表情が撮りたいとの思いからだ。

 「猫が近づいてきてくれるのを待つ。離れたところからじっと見たり、知らんぷりしたりを繰り返すと、そのうち猫がこっちに興味を持ってくれるんです。『なにか用事あるの?』って。そのときが、いい顔が撮れるチャンスですね」

 今回の映画には、番組でも登場した青森・津軽のリンゴ農家に暮らす「コトラ」一家が登場する。

 映画のロケの始まりは、番組でもずっと撮影してきたコトラが赤ちゃんを産んだ日だった。それからも1年以上ロケを続け、コトラの子どもたち「ハナ」と「リッキー」の成長も見守ってきた。

 ある日、岩合さんが撮影に訪れると、ハナのおなかには赤ちゃんが。命のつながりを強く感じた。都会ではなかなか見ることができなくなったこの命のつながりが、映画の見どころという。

 撮影を続けるうち、最初は物陰に隠れるようにしてカメラを見ていたコトラの子どもたちが変わってきた。岩合さんが「おいでよ」と声を掛けると、すり寄ってくれるように。まるで「どこに行ってたの? 心配したのよ」と言っているようだった。

 最終日には、ハナが岩合さんの顔をぺろぺろとなめてくれた。

 「長く付き合っていたけど、こんなこと初めて。うれしさとさみしさで思わず、じーんと目頭が熱くなりました。メイキングを撮っているカメラマンにばれなくてよかったな、と思ったくらいです。そんな姿、恥ずかしいじゃないですか」。

 岩合さんは常に、「猫の重み」を感じながら撮影に臨んでいるという。

 「重くてもたった4~5キロほどの猫ですが、命の重みや、人の心を動かすことができる魅力がある。僕の仕事は、その重みと魅力をいかに引き出してあげるかだと思っています」(中井なつみ)

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 いわごう・みつあき 1950年東京生まれ。動物写真家。ライフワークとして40年以上、猫を撮り続けている。著書に「ふるさとのねこ」「ネコライオン」など。