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 「ミヤビヤ」。それは東海3県で創業100年を超える四つの老舗洋食店のみに伝わるとされる不思議なメニュー。はっきりしたルーツやこの地域だけにある理由はなぞに包まれている。ミヤビヤの正体に迫った。(保坂知晃)

ケチャップの素朴な味わい

 名古屋駅から電車に揺られて約1時間。訪ねたのは愛知県武豊町にある「享楽亭」。大正初期開業という老舗だ。メニュー表を見ると、あった。「チキンミヤビヤ」(800円)。

 「ミヤビヤの由来? 知らないねえ。子どものころからあるから、深く考えたこともないよ」と店主の中川宗久さん(73)。さっそく作ってもらった。

 炒めた鶏肉とタマネギにトマトケチャップとデミグラスソースを少々。浅い皿にドーナツ状に盛りつけ、くぼみに生卵を落とし、蒸し器で2、3分。完成だ。

 ケチャップの素朴な味わい。卵の黄身を崩して絡めると、まろやかに。ごちそうさまでした。

 享楽亭には「大正10年」と書かれたレシピ帳が残っていて、ミヤビヤの記載もある。しかし残念ながら、それ以前にはさかのぼれない。「どうしたらおいしく作れるかが大切で、名前はどうでもいいのです」。中川さんの至言に納得させられ、店を後にした。

 享楽亭のほか、ミヤビヤを出す…

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