[PR]

 脳死の人から臓器提供ができるようになった臓器移植法の施行から20年を記念した催し(厚生労働省、日本臓器移植ネットワークなど主催)が15日、東京都千代田区で開かれた。法施行の前後に生まれた大学生や、専門家らが登壇。臓器提供への意思を示しておくことの重要性などについて語り合った。

 トークセッションでは、会場からも意見を募りながら医学部生や大学生、看護師らが意見を交換した。

 看護師の原沢美鈴さんは十数年前、心筋梗塞(こうそく)で父を亡くした。脳死と判定された父は、臓器提供をする意思表示カードを持っていて、臓器の提供に至った。この時のことを振り返り、カードは「父からのプレゼント」と原沢さん。「もしも意思表示がなかったら臓器提供の話もなかったと思う。今も父がどこかで生きている気がしている。提供を決断してよかった」と話した。

 看護師として働く今、「亡くなる患者の家族の気持ちが分かる存在として、寄り添っていきたい」と語る。「『提供してよかった』と言うと『提供してください』と言っているように聞こえるかもしれないがそうではない。意思表示の大切さを知ってもらうために行動したい」と述べた。

 ソーシャルマーケティングを学ぶ同志社大4年の広瀬蘭さんは、臓器提供の意思表示を「数ある意思決定の一つ」と表現。「したい」「したくない」は、どちらも尊重される意思とした。多くの人に考えてほしいと、「ギネス世界記録に挑戦」と名付けた臓器提供について学ぶ講座を開いた。「入り口はギネスに挑戦でもいい。意思表示するには、知識が足りないと言った不安がある。それを講座で払拭(ふっしょく)できると思った」と話す。

 ただし「臓器提供の意思表示」と友人に言っても、簡単には共感を得られないという。「どうしたら興味を持ってくれ、どうしたら意思表示をしてくれるのか。相手の立場になって行動していくと良いのではないか」と呼びかけた。

<アピタル:マンスリー特集・移植>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/monthly/水野梓