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細る町 投票も一大事

 磯の香りが漂う小さな漁村に海鳥の鳴き声が響く。候補者たちが街に繰り出し声をからしたこの土日も、尾鷲市須賀利(すがり)町はのんびりした時間が流れていた。

 須賀利町は、尾鷲湾に突き出た半島の先端にある市の飛び地。市中心部は湾を挟んで対岸にある。道路が通ったのは1980年代で、それまでは船が唯一の交通手段だった。

 「ここでは60歳でも若いのよ」。笹川珠代さん(65)は町で唯一の喫茶店「シェル」を開いて20年。「昔はよかったんやけど、今はとんとんよ。でも、地元の人が続けてくれっていうでね」。住民約240人の平均年齢は72歳。85%が65歳以上だ。小・中学校は統廃合により既にない。

 昼下がりの漁港には釣り客の姿があった。津市から来たという男性に声をかけると、「ここはよく釣れるんですよ」。言葉の通り、釣り糸を垂らすと、面白いほどすぐに魚が釣れる。

 そばでは、川富堅伍さん(78)が漁の準備をしていた。この町に生まれ、16歳で船に乗り始めた。「昔は船を渡り歩けるほど、ぎっしりおったんやけどな」。漁船の少なくなった港を寂しそうに見つめる。

 対岸の市中心部まで約20分で…

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