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 JR京都駅南の平安京跡(京都市南区)から、平安後期(12世紀後半)の、硯(すずり)に使う水を入れるガラス製の容器「水滴(すいてき)」が出土した。元興寺(がんごうじ)文化財研究所(奈良市)が19日発表した。同様の出土品は奈良国立博物館所蔵のものしか知られておらず、平安京内では初の出土という。

 見つかったのは水滴の注ぎ口部分で、長さ2センチ、幅1・5センチの鉛ガラス製。鉛をまぜているため青緑っぽい色という。平安時代の鉛ガラス製容器は中国製に限られており、今回の水滴も中国製とみられる。

 今回の調査地の12世紀後半~13世紀の遺構からは畿内各地だけでなく、播磨(兵庫)、吉備(岡山など)、東海地方などの土器類が多数出土。京都駅付近は平安後期、鳥羽天皇の皇女・八条院暲子(しょうし)内親王をはじめとする貴族の屋敷が立ち並ぶ高級住宅地だった。この付近は、高級品だった水滴など、各地からの貢ぎ物を貴族らの屋敷群に供給する物流拠点だった可能性があるという。

 現地説明会は21日午後1時半~2時と、同2時半~3時。問い合わせは元興寺文化財研究所(0742・23・1376)。(大村治郎)