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 衆院選の各党公約で、「改革」や「革命」といった言葉がちょっとした流行になっている。自民党が「改革」の使用回数を衆院選ごとに増やすなど、各党が強い言葉で有権者にアピールしている格好だ。一方で、こうした言葉をあえて使わない政党もあり、22日の投開票では「改革競争」の結果も注目される。

 「少子高齢化が急速に進む中で、日本が成長を続ける道は何か。二つの大改革で挑みます」

 こんな安倍晋三首相のメッセージで始まる自民党の公約では、「働き方改革」「規制改革」「意識改革」など「改革」を40回使用。旧民主党から政権を奪還した2012年の衆院選公約の29回、前回14年衆院選の34回と比べて増えている。

 狙いは、「この5年近く、アベノミクス改革の矢を放ち続けてきた」と自負する首相の姿勢を強調することのようだ。

 さらに今回は、「生産性革命」「人づくり革命」といった「革命」も26回使用。広辞苑によると、「革命」には「従来の被支配階級が支配階級から国家権力を奪う」意味がある。伝統を重んじる傾向のある保守政党に似合わないイメージもあるが、同党の閣僚経験者は「森友・加計(かけ)学園問題などで長期政権への飽きが出ているなか、より強い言葉を使うようになっている」と分析する。

 ちなみに、党綱領に「民主主義革命」を掲げる共産党は、今回の衆院選公約に「革命」の文字はない。党幹部が8月、安倍政権に「軽々しく使わないでほしい」と批判した経緯がある。

 主要8政党の中で、最も多く「改革」という言葉をちりばめているのは、日本維新の会だ。「身を切る改革」をはじめ、105回も使用した。今夏の東京都議選で、「東京大改革」を掲げて大勝した小池百合子東京都知事が率いる希望の党。「改革保守政党」を旗印にしており、「おともだち厚遇ではない特区を活用した抜本的な規制改革」と公約にうたう。

 自民と連立を組んでいる公明党が使う回数は、共産党の37回に次ぐ32回。安倍政権に引っ張られる格好で、「革命」も3回使用している。社民党の「改革」記載は17回、日本のこころは0回となっている。

 一方、「改革ブーム」と一線を画し、あえて公約に盛り込まなかった政党もある。立憲民主党だ。枝野幸男代表は「改革という言葉で、何か良さそうに聞こえる時代は終わった」。リベラル色が強いとされる同党だけに、保守層を含めた幅広い支持を取り付けたい狙いもありそうだ。(南彰)

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 《フリージャーナリストの江川紹子さんの話》 「改革」は前進や改善といった良い印象だけを残す「マジックワード」になっている。言葉のインフレーションになって、「革命」という、より刺激の強い表現まで使われる状態だ。

 社会をより良いものに変えていく努力は必要だが、具体的に何をどのように変え、どのようなプラスとマイナスが生じるのか。政治家は説明する必要がある。