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 「『藤子プロ作品は、藤子本人が書かなくなってからグッと質が上がった』と言われたら嬉(うれ)しいのですが」

 1996年、長編「ドラえもん」第18作「のび太のねじ巻き都市冒険記」の執筆を始めた藤子・F・不二雄(藤本弘)さんが、「藤子プロスタッフの皆さんへ」と題して書いた1ページのメモの最後の一文です。それまでどんなに忙しい時でもキャラクターの表情は自分でペン入れをしていたのに、体調悪化のためこの作品で初めてチーフアシスタントの萩原伸一さんに任せました。仕上がった原稿のコピーにたくさんの注意事項を書き込み、このメモを添えて自宅からスタジオのスタッフへ送ったといいます。

 藤本さんはこのメモから間もなくの9月23日、62歳で亡くなりました。絶筆となった「ねじ巻き都市」は、残された下絵やノートを基に萩原さんらが描き継いで完成させ、そこから、藤本さんが描かない「ドラえもん」の歴史が始まり今日に至るわけです。鉛筆を握ったまま机で倒れていたという藤本さんが、あのメモを書いた時どこまで「その先」のことをお考えになっていたのか分かりませんが、ハッと胸をつかれる一文です。

 私は98年9月17日朝刊学芸…

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