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 明日投開票される衆院選では投票率も注目される。前回は戦後最低を更新。ほぼ半数の人が投票しないという事態となった。小選挙区制のもと、第1党は全有権者の3分の1以下の得票率でも、圧倒的な議席数を占める傾向がある。低投票率はそうした選挙結果の乖離(かいり)に拍車をかけている。

 2014年の衆院選の投票率は小選挙区で52・66%で、戦後最低だった12年の59・32%をさらに下回った。「郵政解散」の05年は67・51%、民主党に政権が移った09年は69・28%と高かったが、落ち込んだ。14年の有権者数は1億400万人。1%減れば100万人が投票にいかなかった計算になる。

 14年は、自民党は定数475のうち290議席(小選挙区222議席、比例区68議席)を得て、単独過半数に到達。「安倍1強」を盤石にした。ただ、低投票率とあいまって、全有権者に対する得票の割合を示す絶対得票率は小選挙区で24・49%、比例区で16・99%にとどまった。明確に支持を示した人は小選挙区で4人に1人、比例区では6人に1人だった自民が全議席の6割を占めた計算だ。09年の第1党民主党は小選挙区の絶対得票率が32・20%で、比例区を含む議席占有率は64・2%。12年の自民は24・67%で、61・3%の議席を得た。

 朝日新聞が10~13日に行った衆院選情勢調査では、自民、公明両党を合わせた与党で300議席をうかがう勢い。今回は、野党側が分裂しており、政権批判票も分散する可能性がある。絶対得票率は低くても、圧倒的議席を得る状況が起こりやすくなる。さらに低投票率となれば、絶対得票率との差はさらに開く。

 今回の衆院解散を疑問視し、棄権を呼びかける動きもある。思想家の東浩紀氏は「大義がない選挙は解散権の乱用で、それを批判すべき野党も数合わせの新党形成に邁進(まいしん)している」などとして、「積極的棄権」を望む人の署名活動をインターネット上で展開。20日時点で5400人以上が賛同している。

 ただ、批判のための棄権が選挙結果に影響を与えることはない。

 田中愛治・早稲田大教授(投票行動論)は「棄権は非常に危険な発想だ。国民の過半数が参加せず、ごく少数の支持で多くの議席を占めた政党が政権を取るようでは不健全だ」と懸念を示す。「自分の投票した候補の政党が政権与党となれば、その後の政権運営に力を与えることができる。投票した候補や政党が野党となっても、明確な批判票があることが分かれば、勝った側も強引な政権運営はできなくなる」と投票することの意味を強調する。