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 会長と副会長兼専務理事が相次いで辞任し、次期執行部の選定が先送りされている日本ハンドボール協会が、国際試合中止に伴うスポンサーの航空券キャンセル料約58万円を、日本スポーツ振興センター(JSC)の別の委託事業に上乗せして請求する不適切な会計処理を行っていたことが20日、わかった。朝日新聞が入手した第三者委員会の調査報告書で明らかになった。日本協会は22日、東京都内で新理事を選定する評議員会を開く。

 日本協会は今年2月、日本男子のシグルドソン新監督の初陣として、ドイツの強豪THWキールと強化試合を行うと発表したが、その後、条件が折り合わず、4月に中止を決定した。

 第三者委が作成した全81ページにわたる調査報告書によると、その際、キールと一緒に来日する予定だったスポンサーの国際航空券のキャンセル料約58万円が発生。これをJSC事業で招待した他国の国際航空券の請求書に上乗せして処理した。その結果、JSCからの再委託費として本来もらえる金額より、6万6354円を不正に受け取ったという。

 第三者委の調査では、会計処理の際、蒲生晴明副会長兼専務理事(9月9日付で辞任)は事務局長(同日付で業務委託契約解除)と相談。事務局長がJSC事業に上乗せして請求することを提案し、蒲生副会長の了承を得た、としている。

 2人ともに「キャンセル料相当額をJSC事業の請求書に含めていることを認識していた」とまとめ、「再委託費6万6354円の不正受給について、いわば『未必の故意』はあった」と結論づけた。

 また、調査報告書によると、この件が発覚した直後の6月19日、事務局長が蒲生副会長に送ったメールには「24日を前に、いろいろセンシティブになるかもしれませんが、大事の前の小事」と書かれていた。第三者委は「大事」について、6月24日の評議員会・理事会で蒲生副会長が会長になることを指していると推測。蒲生副会長は7月8日に第三者委などが設置された後でも、「過半数を確保すれば、新体制に移行できます。」「過半数がまとまれば、絶対に勝てます、負けません」というメールを、協会関係者に送っていたという。

 蒲生副会長が送ったメールについて、第三者委は「数の力で新体制に移行させて、調査を有耶無耶にすることを画策しており」、「コンプライアンス意識も低いと言わざるを得ない」と断罪した。

 また、別の日本協会職員が第三者委の設置が決まった7月8日の直後に、過去の協会内のメールをすべて消去し、証拠隠滅を図っていたことも報告した。