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 訪日外国人客が増える中、総務省消防庁は外国人に向けて避難を呼びかける際の文言を見直している。災害時に「やさしい日本語」を使い、駅やホテル、競技場などで説明や誘導をしてもらう。来年3月までに指針を作り、全国の施設に取り組みを促す。

 増加する観光客や東京五輪・パラリンピックを念頭に、同庁は外国人に災害情報をどう伝え、安全な場所へ誘導するか検討を開始。伝える側の外国語の習熟度にばらつきがあるため、分かりやすい日本語で対応することにした。自信なげな外国語で呼びかけても、逆に不安をあおりかねないという意見も参考にした。米国の消防士や警察官らは「Plain English」(平易な英語)を使うよう日頃から訓練を受けているという。

 同庁によると、来日1年の外国人が理解できる程度を目安とする。日本語を解さない人に直接伝わらなくても、理解できた人が周囲に翻訳するか、正しい情報で避難を始めた人に追随してもらうことを想定する。

 一文を短く、話すときははっきりゆっくりが原則なので、混乱時は日本人にとっても分かりやすいという利点もある。「広い範囲で強い地震がありました」は「大きい地震がありました」と要点だけに。「重体の方はいませんか」は「命が危ない人はいませんか」、「注意する」は「気をつける」、「危険」は「危ない」、「消火する」は「火を消す」、「避難所」は「逃げるところ」といった具合だ。文言を平易にするだけではなく、訪日客の不安に寄り添い、一方通行にならないよう配慮する。地震を初めて体験する人を想定し、「この建物は安全です」などと落ち着かせることを検討している。

 同庁は、12月まで留学生らが観光客役となる試行訓練を重ねて問題点を洗い出し、来年度から各施設に周知する。(志村英司)

◇「やさしい日本語」による避難誘導

これまでの呼びかけ例            ■やさしい日本語では

余震に注意して下さい             後から来る地震に気をつけて下さい

火災感知器が作動し、係員が確認しております  火事かもしれません。本当に火事か調べています

けが人を救助しています            けがをした人を助けています

消火しているので迂回(うかい)して下さい   火を消しているので違う道を行って下さい

避難所                    逃げるところ

デマ                     うその話