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 少数民族クルド人によるイラク北部の自治政府、クルディスタン地域政府(KRG)のマスード・バルザニ大統領は28日、地域議会に宛てた書簡で「11月1日以降、大統領任期を延長しない」として辞意を表明した。11月1日に予定されていた大統領選と議会選は8カ月の延期が決まっており、KRGの大統領は当面空席となる見通し。

 バルザニ氏は2005年から2期8年大統領を務めた後、13年には議会が2年間の任期延長を決めた。15年以降は選挙や法的な延長手続きがないまま、実質的に大統領を務めている。

 9月に実施した、イラクからの独立を問う住民投票では9割超の賛成票を得たものの、その後はイラク軍の展開でキルクークなど係争地の支配を失ったほか、地域内の政治対立で混乱が続いていた。バルザニ氏は辞任することで混乱の責任を取った形だ。

 ただ、バルザニ氏はかねて続投の可能性を否定。辞任は既定路線だった。議会は29日からの会議で対応を協議する。住民投票を主導した同氏の辞任で、KRGの混乱がさらに広がる可能性がある。バルザニ氏のおいでKRG首相のネチルバン・バルザニ氏が実権を掌握する可能性もあるが、バルザニ家に対する世襲批判が高まることは必至だ。(ドバイ=渡辺淳基

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