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 同姓同名の人が同時に何人集まれるのか――。こんなギネス世界記録に挑戦しようと、全国の「田中宏和(たなかひろかず)」さんが東京都内に集結した。記録には足りなかったが、なんだか幸せそうな田中さんたち。同姓同名の魅力って?

 「初めまして。田中宏和と申します」「どうも田中宏和です」。10月28日夜、東京・渋谷に集まった87人が名刺を交換し合った。

 始まりは1994年。「近鉄 田中宏和 投手 桜井商業」。プロ野球ドラフト会議で、自分と同姓同名の選手の1位指名に驚いた東京の会社員田中宏和さん(48)が、同じ名前の人探しを始めた。

 集会では、弁護士の田中宏和さん、美容師の田中宏和さん、明石の田中宏和さん……など職業や住所にひっかけて呼び合った。ドラフト1位の田中さん(41)も大阪から参加。「1軍で結果を残せなかったし、球団もなくなってしまったのに、また取材を受けることになって複雑な気分」と笑う。

 だが、他の田中さんたちは興奮していた。中学生の田中君は北海道・函館から。最高齢75歳の田中さんは岐阜県土岐市から生まれて初めて新幹線に乗ってやって来た。中学の修学旅行で来たときは特急だったという。

 なぜそこまでするのか? 田中宏和さんたちは「他人と思えない。会った時から遠縁の親戚のよう」と口をそろえる。集会では、半年前に田中宏和ちゃんが山口県で産声を上げ、発起人の田中さんが面会に行って抱き上げたことも報告された。

 同姓同名の集まりとしては、12年前に米国で「マーサ・スチュワート」さん164人が集結したのがギネス世界記録。同名の料理研究家のテレビ番組の企画で集まったという。ギネス世界記録はローマ字表記が基準だ。発起人の田中さんは「漢字にこだわるのはやめて『タナカ・ヒロカズ』を集める。3年後には世界記録更新を」と意気込む。田中さんたちは全員で「自分で選んだわけじゃない~」「気づいた時には呼ばれてた~」とオリジナルソング「田中宏和のうた」を歌って再挑戦を誓った。

 日本で同姓同名はどれほどいるのか。姓氏研究家の森岡浩さんは「公式なデータがないのでわからない」という。電話帳や生命保険加入者の情報をもとに推計するしかないからだ。戸籍を管理する法務省も「データがない」。ただ、森岡さんが90年代後半に調べたところ、日本で最多の名前は「田中実」で推計3千人以上。86年の明治生命による調査では「佐藤和子」がトップだった。「鈴木和子」「鈴木幸子」「佐藤幸子」「高橋幸子」「高橋和子」「佐藤洋子」と女性が続き、8位にようやく男性の「高橋清」が入る。「鈴木茂」「佐藤進」「鈴木博」「鈴木実」が続く。森岡さんは「最近は変わった名前が増えたので、同姓同名は減っているのでは」とみる。

 同姓同名に魅せられる人たちは…

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