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 地球温暖化対策への貢献で2007年にノーベル平和賞を受賞したアル・ゴア元米副大統領が来日し、朝日新聞などのインタビューに応じた。日本が途上国の石炭火力発電所建設を支援していることにふれ、「ショッキングだ」と懸念を表明。トランプ大統領がパリ協定から離脱すると表明したことについて、「それでも米国内の対策は進む」と見通しを語った。

 ゴア氏は、約10年前に世界的に大ヒットしたドキュメンタリー映画「不都合な真実」の続編が17日から日本で公開されるのに合わせて訪日した。

 日本が国内だけでなく、インドネシアなど途上国で石炭火力建設を支援していることについて、ゴア氏は「日本国民の税金を汚い石炭に投入するのはやめるべきだ」と批判。環境負荷を抑えた次世代型を建設することについては、「効率がいいと言っても5%ほどで、やはり温暖化を悪化させる」。中国が再生可能エネルギーへの転換で主導権を狙っているとして、「世界から悪く見られることは、いまの日本にとって得策だろうか? 私が日本人なら違う答えを示すだろう」と語った。

 トランプ氏が6月にパリ協定からの離脱を表明したが、「他国が追随するのを恐れたが、そうならなかった」と述べ、米国抜きでも協定の意義は失われていないと強調。米国でも協定を支持する国民が多数派だとして、温暖化対策に否定的なトランプ氏の発言は「汚染する側の人たちに配慮した政治的なものではないか」との見方を披露した。トランプ氏の発言にかかわらず、国内の多くの州や市、企業などが独自にパリ協定を守ると約束しているとして、「私は楽観的だ。この戦いには勝てる」と話した。

 また、パリ協定からの離脱を思いとどまるようトランプ氏に説得を試みたと明かし、「私なりに最善を尽くしたが、だめだった」。5日からトランプ氏が訪日することにふれ、「安倍(晋三)首相なら説得できるかもしれない」などと述べた。

 ゴア氏は6日からドイツで始まる国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP23)に参加する予定で、「重要な会議になる。日本も米国ももっと野心的な取り組みが求められている」。持続可能な世界づくりに向けた劇的な変化が起きているとして、「産業革命のように大規模で、デジタル革命のようなスピードを持った『持続可能性革命』だ」と語った。(小林哲、編集委員・石井徹