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【その時、何が】

 20xx年、Aさんの家族がタブレット端末に話しかける。「イヌを飼いたいけれど、どう思う?」。すると、画面上でAさんが笑った。「きちんと世話をするなら。プードルかシバイヌがいいな」。実は、Aさんはもうこの世にいない。家族と話しているのは、生前の記憶データをもとに人格を忠実に再現した人工知能(AI)だ。脳の活動を読み解く技術や体験を記録する装置の開発が進めば、会話や風景、嗅い、さらに思考や感情などあらゆる記憶がデジタル情報として記録できるようになる。過去の記憶を自由に検索し、持ち主と同じように考えるAIを作れる可能性もある。一方で、記憶という究極のプライバシーが流出したり、悪用されたりする危険もつきまとう。

脳の血流から「夢でみたもの」推定

 脳波などを測定し、見ているものや考えていることを解読する研究はこの数年、急速に進んでいる。

 京都大の神谷之康教授のグループは、脳の活動で生じる血流の細かな変化を「機能的磁気共鳴画像法(fMRI)」を使って測定し、目で見たものや夢に現れたものが何なのか推定することに成功している。現在は、様々な画像を見た際の脳活動のパターンをAIに解析させ、頭の中に浮かんでいる画像そのものの復元にも挑戦している。

 写真のように鮮明な解読はまだできないが、フクロウやアルパカの画像を見せる実験では、脳活動のパターンから、動物の輪郭を描いた抽象画のようなイメージを画面上に再現できた。脳の信号を読み取る技術とAIの発展が重なれば、よりリアルな解読ができるはずだ。

 ただ、脳の仕組みはなぞだらけで、どこまで解読が進むかはわからない。神谷さんは「想像できないくらい難しい」とした上で、「脳活動のパターンを相手の脳に伝えてイメージや感情を共有できる時代が来るかもしれない」と話す。

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