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 ちびりちびりとやっていた琥珀(こはく)色の梅酒の瓶が空になった。残った梅の実をとりだして果物ナイフで二つに割って種を除く。今年も残すところあとふた月。そろそろシュトーレンを焼く季節がやって来た。ドライフルーツなどが入ったドイツ発祥のパン菓子で、クリスマスに食べる伝統があるものだ。キリスト教徒ではないのでお祝いするというよりはなんとなく歳(とし)の瀬のお楽しみ、恒例の行事になっている。

 まずは一年を通じて集めた木の実やお酒につけたものをリビングのテーブルいっぱいに出してならべる。去年の冬、傷のある柚子(ゆず)をたくさんいただいて砂糖漬けにしたピール、初夏に指を真っ赤にして摘んだクワの実の冷凍したもの。デッキで干した杏(あんず)、晩夏リスのように拾ったオニグルミ、農家さんから分けてもらった規格外の栗を渋皮ごと煮たもの。最近なかなかお目にかかれないツノハシバミという日本のヘーゼルナッツがある年はラッキーだ。

 間に合えば軒先の干し柿も入れようか。今年もいろいろ採れたなぁと酔いしれるこの時が一番たのしい。同時にたった一年でこんな恵みをもたらしてくれる自然のすごさに感謝する。市販のドライフルーツの袋を開けて並べてもこんな気持ちにはなれない。生地を折り畳んで焼いた形は幼子イエスを産着で包んだ様子に見立てたともいわれている。季節をぎゅっと閉じ込めて美味しくなぁれと祈るようにオーブンに入れる。

 海外に住んでから日本の土地に…

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