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 生まれたばかりの赤ちゃんをなくす――。取材前、想像しただけで胸が張り裂けそうで、どう考えたらいいのか、うまく言葉を見つけられませんでした。取材を終えたいまも、それは大きく変わりません。

 今回の取材では、それでも親として最後まで何ができるかを模索する姿に、心を打たれました。亡くなったことを悲しむだけでなく、生まれてきたことを喜び、幼いきょうだいに伝えていくことの意味も考えさせられました。取材で紹介した中町美希さん(31)の長女は当時3歳でしたが、弟としての彪護(ひゅうご)くんの存在が、しっかりと胸に刻まれているようです。

 

 神奈川県立こども医療センターの医師や看護師らの支えも大きく、命を救うことだけが医療の役割ではないのだ、ということも学んだ気がします。

 取材中、センターで、この1年間に亡くなった子どもたちの慰霊式があり、私も参加させていただきました。涙をふく父親、母親の姿に胸が詰まりました。同時に、慰霊式の後、子どものアルバムを医師と見ながらほほえみ合う親の姿もあり、強く印象に残りました。

 どんなに医療が進歩しても、妊娠、出産の過程で愛する我が子を失う体験をしている人がいるのが現実です。想像を絶するできごとだからこそ、想像力をはたらかせ、家族がどんな思いでいるのか、周囲にできることがあるとすればどんなことなのか、考えていきたい、と感じています。

 

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<アピタル:患者を生きる・妊娠・出産>

http://www.asahi.com/apital/special/ikiru/(武田耕太)