[PR]

 乳幼児にスマートフォンで遊ばせる「スマホ育児」。家事などで手を離せない時、つい頼りがちだが、子どもたちへの悪影響も心配だ。ネットとどう付き合わせればいいのか。親たちの多くが模索している。

 「大人も時間を忘れてネットを見てしまいがち。子どもが熱中しないわけないですよね」。3人の子どもを育てる保育士の石井真理さん(33)=岡山市北区=は話す。

 長女(3)は1歳半ごろからタブレット端末を使い、動画サイト「ユーチューブ」でアニメや歌の動画を見るようになった。好みの動画を探し、寝る間も惜しんで見るようになり、「タブレット漬けになってしまうんじゃないかと焦った」。時間帯や見る時間を決め、守れない時は端末を取り上げた。一方で、長女と次女(1)が動画を見ている間は「手が空く貴重な時間」。仕事や家事をすることも多い。

 9月に端末が壊れ、親のスマホなどでたまに動画を見る程度になった。だが、小学生の長男(10)も携帯型ゲーム機で動画などを見るのに夢中だ。「ネットに触れる機会は大きくなるにつれて増える。使い方の約束を作ったり、話し合ったり、叱ったりは続くはず」

 ベネッセ教育総合研究所は3月、首都圏に住む未就学児がいる母親3400人にアンケート調査(第2回乳幼児の親子のメディア活用調査)を実施した。その結果、乳幼児の約2割がほぼ毎日スマホで動画などを見ているとの結果が出た。前回調査(2013年)に比べ倍近く増えた。

 ネットの動画や画像を見せることのデメリットとして、健康への懸念に次いで「夢中になり過ぎる」「長時間の視聴や使用が続く」との回答が多かった。「大きくなったとき、依存しないか心配」という項目も上位だった。

親の介入不可欠 ふれあう時間を 専門家指摘

 親はどんな点に注意すればいいのか。岡山県精神科医療センターで子どもの精神的問題などを専門とする牧野和紀医師は「無限のコンテンツを提供するネットはテレビやゲーム以上に魅力的な存在。自分をコントロールすることが難しい子どもがネットを使う時は親の介入が不可欠」と指摘する。

 センターでは、不登校や家庭内暴力といった問題と一緒に、ネット依存に悩む中高生らが受診し支援を受けている。保護者が依存を疑い、小学校低学年の児童が受診したケースもあるという。「依存に陥ってから治療や支援を受けるのは本人も家族も大変。乳幼児期からスマホを子どもだけで触らせない、見る時間を決めるなどの工夫が必要」と牧野さんは話す。

 「育児において、スマホについてのウェートが健康や食育などと同じくらい大きくなっている」。そう語るのは県青少年健全育成促進アドバイザーなどを務める筒井愛知さん(50)だ。

 中学校や高校で携帯電話やネットの使い方について講演をしてきた筒井さん。2009年から保育園や幼稚園でもスマホ育児をテーマにした講演を始めたが、当初は年数件だった依頼が昨年8件、今年11件と急増しているという。

 講演ではいつも実体験の重要性を訴えているといい、「五感が刺激されることは子どもの成長に必要不可欠。外遊びや親子のふれあいの時間をしっかり取って欲しい」と訴える。