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 米ハリウッドの大物プロデューサーに対する告発をきっかけに、有名俳優や監督からの性的被害を公表する動きが止まらない。告発された側の多くが、作品や活動を通して女性やマイノリティーの地位向上を訴えてきただけに「リベラルの偽善があらわになった」との批判も出て、影響は広がる一方だ。

 「被害者の訴えを聞いた人の責任は、加害者と仕事をしないことです」。11月上旬、一連の問題を受けて米CNNが放送した公開番組で、俳優のジェシカ・バース氏が訴えた。1時間の番組には学者や議員らも続々と登場し、観覧席からは質問も相次いだ。

 発端は10月、ハリウッドの大物プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン氏(65)が数十年間、女優やスタッフらに性的嫌がらせや強姦を繰り返していたと報じた米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)などの記事。アカデミー賞作品を数多く生み続けてきた有力者を前に、「公にすれば業界で生きていけなくなる」と被害者も沈黙し、内々の金銭解決などにとどまってきた事態が明るみに出た。俳優のアンジェリーナ・ジョリー氏(42)やグウィネス・パルトロウ氏(45)らも過去の被害を公表。「輪」は100人以上に広がる。

 長すぎた沈黙の裏には、見て見ぬふりをしてきた周囲の映画関係者の存在もある。2013年のアカデミー賞ノミネーション発表会場で、司会を務めたコメディアン、セス・マクファーレン氏(44)は助演女優賞候補を読み上げ「おめでとう。これでもう、ワインスタインに惹(ひ)かれているふりをしなくていいね」と皮肉まじりの祝辞を述べた。

 映画関係者らは「品がない」と司会ぶりを批判。ワインスタイン氏への追及には向かなかった。マクファーレン氏はツイッターで今年10月、当時、監督作品「テッド」(12年)に出演した冒頭のバース氏から被害を打ち明けられて「この機会に手痛い一撃を」と考えた、と当時のいきさつを明かした。

 ワインスタイン氏は事実上の「業界追放」となり、ロサンゼルス市警などが捜査している。11月には米誌ニューヨーカーが、ワインスタイン氏が告発を抑えるためにイスラエルの元女性スパイを被害者らの元に送り込んだと報道。俳優のケビン・スペイシー氏(58)やベン・アフレック氏(45)、ダスティン・ホフマン氏(80)、オリバー・ストーン監督(71)らに対する告発も広がり、作品公開の見合わせにも発展している。

リベラル派に批判

 この問題をめぐり、思わぬ批判にさらされているのがリベラル派だ。

 ハリウッドはもともと、民主党支持者が目立つ。大統領選など主要な選挙の時には有力者が同党の政治家らに多額の資金を投じてきた。ワインスタイン氏もオバマ前大統領やクリントン夫妻らに寄付を重ねており、オバマ氏の長女を自身の会社にインターンとして迎えている。AP通信によると、同氏や一族による民主党や同党政治家らへの寄付総額は1992年以降で140万ドル以上。女性やマイノリティーの権利を訴える「ウィメンズマーチ」にも参加している。女性監督の育成奨学金として、南カリフォルニア大学に500万ドルを寄付する予定にもなっていた。

 報道を受けて、民主党の下院選…

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