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リバテープ製薬・常務開発本部長 力武史朗さん(63)

 九州には、傷口に貼るばんそうこうを「リバテープ」と呼ぶ地域がある。1960年に国産のばんそうこうを初めて開発したリバテープ製薬(熊本市)が手がける商品名が、ばんそうこうの代名詞になっている。西南戦争の激戦地、田原坂の近くに本社を構える同社で、約30年前からばんそうこうの開発にかかわってきた。生み出した新商品は約80種類にのぼる。

 貼り心地がより良く、素材に十分な伸びがあり、はがれにくい……。目指す機能を形にするため、性能の試験室や工場に足しげく通い、使うフィルムや粘着材の仕様に頭を悩ませてきた。

 試作品の性能はもっぱら自分の手の指に貼って確かめる。1回の開発で貼るばんそうこうは、他社製品も含めて300枚以上。この30年ほどで約10万枚にのぼる。3本の指に貼ったばんそうこうを見た取引先は「テスト中ですね」。もう慣れっこだ。こうして生み出した自信作の一つが3年がかりで約10年前に開発した、当時「世界で最も薄い」0.01ミリのばんそうこう。「ゆで卵の殻をむくと、白身の外側に薄い膜があるでしょう。それと同じくらいの薄さです」。従来品の3分の1の薄さを一気に達成した。

 「医療現場で患者の体に注射針を固定するのに使いたい。何日も貼りっぱなしでも、肌が荒れないようにしたい」。OEM(相手先ブランドによる生産)で製品を供給していた医療機器メーカーからのこんな要望が開発のきっかけだった。ばんそうこうの下で蒸れた肌には雑菌が発生する。長い間貼っていると、ばんそうこうと肌がこすれて赤く腫れることも。通気性を良くするため、薄さにこだわった。

 素材を吟味し、柔らかいウレタン製フィルムを採用したが、薄すぎてふにゃふにゃと形が崩れてしまい、うまく貼れない。「無理だ」と思いかけたが、仕入れたフィルムについている非常に薄い台紙を残したまま皮膚に貼り、使う人に表面の台紙をはがしてもらう方法を考案して課題を解決した。ドイツでの医療機器の見本市で「ファンタスティック!」と称賛され、今では医療現場や家庭に広く普及している。2011年には世界最薄を自ら更新する0.007ミリのばんそうこうの開発も成し遂げた。

 東京の大学に通ったが、「電車…

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