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 戦後、名古屋市の動物園で生き残った象を見に、子どもたちが全国から列車を仕立ててやってきた――。そんな実話を元に、川口市の合唱団が四半世紀余り歌い継いできた合唱組曲「ぞうれっしゃがやってきた」の練習が、今年も始まった。来年7月1日のさいたま市公演に向け、一緒に歌う仲間を募集している。

 「川口ぞうれっしゃ合唱団」。1991年4月の初公演以来、2年に1回、そのつど各地から団員を募って練習し、公演してきた。14回目となる次回はさいたま市浦和区の埼玉会館大ホールで、県内外に暮らす2歳から80代までの約140人が参加を予定。夫婦、親子もいれば、3世代にわたる参加者もいる。

 11の組曲でつづられたストーリーは実話だ。太平洋戦争当時、爆撃でおりが壊れて動物が逃げ出したら危険という理由で、動物園の動物を殺すよう命令が下った。だが名古屋市の東山動物園は園長らが抵抗し、4頭中2頭の象を守る。戦後、本物の象を見たいという各地の子どもたちの夢をかなえるため、東京や千葉などから名古屋へ「ぞう列車」が運行され、子どもたちが象の姿に励まされる。

 元小学校教諭が絵本にし、愛知県の合唱団のメンバーらが合唱組曲へ仕立てた。場面に応じ、子どもだけが歌う時もあれば、大人と一緒の合唱もある。

 川口の合唱団創設時から代表を務める荒木紀理子さん(62)は「初めはこれほど長く続くとは思っていなかった」と振り返る。「声高ではないけれど、思想や信条、年齢や性別といった違いを越え、ただ平和への思いをつなぎ、互いにつながりあいたいという気持ちがあったからこそだと思います」

 世代を超えた参加者も少なくない。今月12日の初練習から、長女(5)を連れて参加した西山めぐみさん(34)は「子どものころ、両親と何度か合唱団に参加し、いつも心にこの歌があった。自分に子どもができたら同じ体験をさせたいと思っていたので、念願かないました」と話す。

 練習は毎月第2、第4日曜の午前中、JR蕨駅近くの川口市教育研究所で。参加費は全部通しで1家族まとめて8千円。子どもだけなら半額。経験は問わない。詳しくは荒木さん(048・268・9256=電話〈夜間のみ〉・ファクス、ホームページ=http://kawaguchizou.sakura.ne.jp別ウインドウで開きます)(斎藤智子)