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 今年のノーベル文学賞に決まった英国の小説家、カズオ・イシグロ(63)。彼にとって長崎市は、日本人の両親のもと石黒一雄として生まれ、5歳で渡英するまでの幼少期を過ごしたふるさとだ。作中にも描かれた長崎と、作家の創作の関係について、ゆかりの地をたどりながら探った。

 長崎市中心部の西に位置する稲佐山(333メートル)。ふもとからロープウェーに揺られて5分、市街を一望できる展望台に着く。眼下には、山の斜面を切り開いて密集する家々や、港に停泊する大型客船が、雲間からさす夕日に輝いていた。

 イシグロは1960年、海洋学者の父の仕事により英国に移住した。その前に家族とロープウェーに乗り、この眺望を目に焼き付けたようだ。長崎原爆で家族を失った女性が主人公のデビュー作『遠い山なみの光』(82年)では、終戦から数年を経た主人公が稲佐山から、復興の槌音(つちおと)の響く街を眺めるシーンが描かれる。

 「まるで何事もなかったみたい…

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