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 11月に新制度がスタートし、いまや日本の外国人受け入れ政策の中核となった技能実習制度。その「ひずみ」を追った。

 「べんきょうしてください」「あそんでください」

 今月初め、ベトナムの首都ハノイ郊外の田園地帯に立つ6階建てビルを訪れると、若者らが日本語の例文を大声で唱和していた。

 同国には日本で働きながら技術を学ぶ技能実習生を送り出す会社が240以上ある。ここはその一つで、帰国後、母国の発展への貢献が期待される約180人が研修している。

 日本語教師として教壇に立つのはグェン・ティ・クィン・チャンさん(24)。昨年2月までの3年間、靴下製造「イイダ靴下」(本社・奈良県)の佐賀県江北町の工場で実習生として働き、縫製技術を学んだ。

 同社は2002年からベトナム人実習生を受け入れてきた。実習生から「お父さん」と慕われる飯田清三会長(75)は帰国した「卒業生」との交流を続ける。

 そんな飯田さんが年々深めた確信がある。

 「技術がベトナムに渡っていない」

 卒業生は計111人になった。だが、帰国後も縫製業に携わっているのは4人。しかも、うち3人はイイダ靴下が合弁で昨年現地に建てた工場で働く。

 多くはチャンさんのように日本語力を生かした仕事をしている。より高給が期待できるからだ。

 技能実習制度が掲げる「途上国への技能移転」は建前で実態は割安な労働力の確保だ、と指摘されてきた。実習生は昨年末時点で約23万人でベトナム人が約8万8千人と最多。その送り出し国で「建前」が崩れている。

 ベトナム国家大学ハノイ校のベトナム経済政策研究所は日本の国際協力機構(JICA)の委託で、昨年から今年にかけて帰国した実習生らの状況を調べた。回答した112人のうち「今の職業は日本での研修と関係がある」と答えたのは28%だった。「日本の労働力調達策のひとつだろう」。グェン・ドゥック・タイン所長はそう話す。(機動特派員・織田一)

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