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 13日にマニラで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の議長声明が、閉幕から3日が過ぎた16日に発表された。中国が実効支配を進める南シナ海の問題では、中国を念頭に2014年から続いてきた「懸念」という表現がなくなった。中国への融和姿勢が強まった形だ。

 声明は、一部加盟国と中国が領有権を争う南シナ海問題をめぐって「中国とASEANの関係が改善状況にある」と指摘。その上で、南シナ海での紛争解消に向けた中国とASEANの「行動規範(COC)」の枠組みが合意されたことを踏まえ、中国との今後の交渉開始に期待を示した。

 これまで懸念を示していた部分については「平和、安定、安全の維持と航行・上空飛行の自由を確保する重要性を再確認する」とするにとどめ、「非軍事拠点化と相互信頼の強化、状況を複雑化させる行為を抑制することの重要性を再確認した」と記した。

 南シナ海をめぐっては、西沙諸島の近海で中国が石油掘削をしていた2014年5月の首脳会議の議長声明で、「深刻な懸念」を表明。以来、「懸念の維持」「懸念を共有」などと形を変えながらも、首脳会議の議長声明では南シナ海をめぐる「懸念」が表明されてきた。(ハノイ=鈴木暁子)