[PR]

 安倍晋三首相が国会で施政方針演説や所信表明演説に臨んだのは第2次政権発足以降、今回で10回目。これまで出会った人たちとの思い出や偉人の名言などエピソードを盛り込むのが恒例だったが、17日は取り上げなかった。分量だけでなく、中身もあっさりとした演説になった。

 「被災地のことを思う時、私は、ある少女とその家族の物語を思い出さずにはいられません」。第2次政権発足後初めて臨んだ2013年の通常国会。首相は演説でこんなエピソードを取り上げた。亡くなった母親が少女に内緒で書いた「未来へ宛てた手紙」の内容や少女の言葉を紹介。復興を加速させると訴えた。

 その後の演説でも、介護職を目指す学生やイノベーションを進める中小企業などに言及し、「皆さんを全力で応援する」と政策をアピールしてきた。政治家や武士の逸話に触れることもあり、自らの主張や政策に説得力を持たせるねらいがあったとみられる。

 今回の演説について首相周辺は「この分量で(エピソードを)入れたらおかしい」と説明。そもそも全体が短かったため、盛り込まれなかったとの見方を示した。実際、今回の演説に登場した人物は、直前に会談したトランプ米大統領ら海外の首脳だけだった。(山岸一生)