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 職員が突然いなくなり、週に2日しか営業できなくなった三島村・竹島の簡易郵便局。一人の職員に仕事が託され、サポートする補助員も確保が難しく、隣の島からの応援にも時間がかかるという離島が抱える「危うい事情」が浮かび上がってきた。

 竹島は、三島村にある黒島や硫黄島など有人島の一つで、人口は約80人。

 竹島簡易郵便局は竹島にある唯一の郵便局であり、金融機関だ。今年7月に日本郵便から村に業務委託され、鹿児島中央郵便局の分室から簡易郵便局になった。それに伴い、県外出身で島内在住の男性(31)が、嘱託職員として預金の出し入れや郵便の窓口業務などを担うことになった。

 村によると、その男性職員が姿を消したのは10月下旬。休暇で県外に出て、いったん鹿児島市内に戻ってきたものの島には戻らず、連絡が取れなくなった。

 村は黒島の簡易郵便局の嘱託職員を竹島に派遣し、現在は週2日だけの営業となっている。

 島の住民によると、男性職員は姿を消す前、「誰かに仕事の代理をお願いしたい」「休みが取れない」などと話していたという。

 村によると、嘱託職員の勤務時間は土日祝日を除き、午前8時半~午後5時15分。しかし、深夜まで郵便局に電気がついているのを見た島民もいた。また、嘱託職員の急病などに備えて指定される「補助員」が、島内にはいなかった。

 日本郵便は自治体への業務委託に際しては、嘱託職員のほかに補助員を1人以上指定するよう求めている。しかし、村が定めた竹島簡易郵便局の補助員は、海の向こうの黒島の住民。村総務課の宮田雄次課長は「補助員を竹島で募集をしていたが、なかなか確保できない状態で、不十分な態勢だったかもしれない」と認める。

 村役場には今月16日、男性職員から手紙が届いた。「ご迷惑をおかけした」と謝罪する一方、郵便局の運営態勢の改善を求め、今後のことについて「話し合いをしたい」などと書かれていたという。

 村は新しい嘱託職員を募集中で、さらに緊急時に対応できるよう、村職員2人にも郵便局の業務の研修を受けさせる予定という。

 県内のほかの離島の郵便局も、職員の確保には不安を抱えている。

 七つの有人島がある十島村では、今年7月に悪石島、9月に平島に簡易郵便局が開局した。それぞれの郵便局には嘱託職員のほかに、島内に1~2人の補助員が確保されている。

 しかし、村総務課の肥後亘・政策推進室長は「人数的には最低限確保しているが、不安はある」と話す。平島と悪石島の嘱託職員は、どちらも20~30代の女性。これから妊娠、出産、子育てで仕事を休む可能性もあり、その間は別の職員を探す必要が出てくる。

 島同士の行き来には船しかないため、移動にも時間がかかる。6月に開設された屋久島町・口永良部島の簡易郵便局の職員の業務について、日本郵便は「島外での会議や研修会に出席する時は、ほかの補助者に業務を依頼して、数日前から移動しなければならないことは不便」とする。

 十島村の肥後室長は「物理的に様々なことで困難がある離島の状況を理解する必要がある」と話している。(島崎周)