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 震災の津波で流された写真やランドセルなどの「思い出の品」を持ち主に返す沿岸自治体の取り組みが、予算不足で相次いで終了している。陸前高田市の事業も22日、幕を閉じた。同市で返却に取り組む団体は、来年1月の再開をめざし寄付金を募っている。

 市は2011年度から国の事業を使い返却を始めたが16年度で同事業が終了。今年度は市が単独で700万円を出し、一般社団法人「三陸アーカイブ減災センター」に委託して続けてきたが、予算を確保できなくなった。写真約7万点、物品約2500点がまだ持ち主に戻っていない。

 釜石市や山田町などでも写真をデータ化した上で現物の返却を続けてきた。だが、釜石市は予算不足で今年度から返却会を取りやめ、現物は市内の廃校に保管し持ち主が判明すれば返却している。山田町も昨年度末で返却事業を終了し、カビがついたり傷みが激しくなったりしたため、すべての写真を焼却処分した。

 同センターは来年1月の事業再開をめざし、来月にネットで資金を募るクラウドファンディングを行う予定。秋山真理代表は「捜したい時に捜せる環境を作りたい」と話す。問い合わせは同センター(0192・47・4848)へ。(渡辺洋介)