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 東京都港区の公共住宅で2006年、シンドラー社製のエレベーターに市川大輔(ひろすけ)さん(当時16)が挟まれて死亡した事故で、遺族が同社などを相手取り、損害賠償を求めた訴訟が24日、東京地裁(岡崎克彦裁判長)で和解した。同社などは「遺憾の意」を示し、再発防止策を講じることや和解金の支払いに合意した。

 訴訟は、市川さんの母正子さん(65)らが08年、同社や点検を担当したエレベーター保守管理会社2社、住宅を所有する港区などを相手取り、逸失利益や慰謝料など計2億5千万円の損害賠償を求めて提訴した。今年9月に地裁が和解を勧告して結審した後、協議が進められていた。

 和解では、シンドラー社などが「何の落ち度もなく、わずか16歳でこの世を去った市川さんと遺族の無念の思いを重く受け止め、深く遺憾の意を表する」としたほか、社会的、道義的責任を認めて再発防止に全力で取り組むなどとした。また、和解金の支払いも盛り込んだ。

 シンドラー社の代理人弁護士は和解後、「人道的見地から和解勧告に応じた」と話した。

 この事故では、シンドラー社の元課長らが業務上過失致死罪で在宅起訴され刑事責任を問われた。東京地裁は15年、同社元課長を無罪、保守管理会社の3人を有罪とする判決を出し、東京高裁で審理中だ。(後藤遼太)