[PR]

 おなかの子を亡くすことは女性にとって体の負担だけでなく、心に大きな痛みを残すことを今回の取材を通して強く感じました。流産や死産を繰り返す「不育症」の患者さんは自分を責め、精神的に追い込まれてしまう人も少なくないそうです。また流産、死産をしてしまうかもしれない――。妊娠中もそんな不安や恐怖がつきまといます。

 実は私の妻も3度の流産を経験しました。検査を受け、不育症の原因の一つの血液の凝固異常だとわかりました。今回紹介した埼玉県志木市の会社員女性(36)と同じ血栓を防ぐ「ヘパリン」の自己注射をし、2人の子どもを出産しました。

 それだけに「検査を受けていなかったら、この子たちはいなかったかもしれない」という女性の言葉は胸に響きました。検査でたとえ原因がわからなかったとしても、一歩踏み出すことで道が開ける。医師に適切な情報を伝えられたり、悩みを相談したりするだけでも違うと思います。

 「家族の支えも大事」と不育症の治療にあたる産婦人科医は口をそろえます。今回紹介した女性の夫も死産や流産の後、「できるだけ妻に寄り添うようにした」と言っていました。妊娠や治療に対し、家族が一緒に向き合うことが大事だと改めて学びました。

 不育症は、各都道府県に相談窓口が整備されるなど次第に患者を支える環境が整ってきており、少しずつ認知度も上がってきていると感じます。流産や死産の悲しみを越え、1人でも多くの方が出産にたどり着けるようになればと思います。

 ◇ご意見・体験は、氏名と連絡先を明記のうえ、iryo-k@asahi.comメールする へお寄せください

<アピタル:患者を生きる・妊娠・出産>

http://www.asahi.com/apital/special/ikiru/(土肥修一)