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 2020年の東京五輪・パラリンピックで来日する選手らを着物で歓迎しようと、狛江市西野川4丁目の鈴木富佐江さん(81)が着付けセミナーを開いている。特に力を入れているのは、障害や車いすの女性も簡単に着られる着物の普及だ。自らも右手に障害があり、考案した着物だ。「パラリンピックで、ぜひ外国の方に日本の着物の美しさ、良さをアピールしてほしい」と話している。

 小さい頃から着物好きだった鈴木さんは節目の行事などの際はいつも着物に袖を通してきたという。しかし、65歳の時、脳梗塞(こうそく)を患い、後遺症が残った。右手が背中に回せなくなり、帯が結べなくなった。「ショックで泣き続けました」

 病気の後、着物への愛着は一層強くなった。「きっと障害や高齢で体が不自由になっても着物を着たい女性はたくさんいるはずだ」。自分の経験を生かそうと思い立った。「簡単に着られる着物をつくろう」

 折り紙をヒントに、考えたのが、あらかじめ帯を結んだ形にして縫い付けておく方法だ。これだと手を後ろに回さなくてもいい。さらに、車いすの女性らも着られるように工夫した。ボタンで止める長じゅばんや、ファスナーを使った着物もつくった。

 「着物を着る時、何度も体をひもで縛るので、時間もかかり、苦しくもなる。その手順をできるだけ少なくした」。一般的には30分程度かかる着付けが、初心者でも10分ほどで済むようになったという。

 鈴木さんには今、もう一つの思いがある。53年前に東京であった第2回パラリンピックに、ボランティアとして参加した。代々木の選手村で着物姿で出迎えたところ、「私にみんなが集まってきた。スターになった気分でした」。

 そして2度目のパラリンピック。前回大会より認知度は格段にアップした。自分もバリアフリーへの意識が高まった。だからこそ「障害がある女性や、車いすの女性にもユニバーサルデザインの着物を着てもらい、日本の良さを海外に伝えてほしい」と願っている。

 3日午後1時半から、中央区築地5丁目の朝日新聞東京本社2階の読者ホールで「着物体験会」を開く。定員150人。無料。問い合わせはマイベストプロマーケティング本部(0800・888・3600、平日午前10~午後5時)へ。着付けセミナーは、要望に応じて別途開くこともできる。問い合わせは鈴木さん(090・3691・0055)へ。(前多健吾)

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