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 インフルエンザにかかった場合は、どのような対応が必要になるでしょうか。インフルエンザの診療は、ここ15年ほどで大きく変わりました。症状、流行状況や接触歴をふまえ、迅速診断キットを使って鼻やのどの粘液からウイルスを検出することで、短時間で確実な診断が可能となりました。

 抗インフルエンザ薬は、ウイルスが持つノイラミニダーゼという酵素の働きを妨げる薬が主流で、ウイルスの増殖を抑えることにより、症状の期間短縮(例えば、発熱期間1~2日の短縮)が期待されます。お年寄り、心臓や肺、腎臓などの病気を持つ方々の場合、インフルエンザをきっかけに細菌性肺炎などの合併症をきたす心配がありますが、抗インフルエンザ薬の服用でこれらの重症化を防ぐ効果も期待できます。

 ただし、ウイルスが体内で増えきった状態では十分な効果が得られないため、発症から早い段階での服用開始が必要となります。適切な服用のタイミングは、発熱などの症状が出てから2日以内が目安です。インフルエンザを疑うような症状が出た場合には、早めに医療機関を受診しましょう。

 抗インフルエンザ薬は数種類が使用可能で、内服、吸入、点滴など剤型も様々です。どれを用いるかは、状況や年齢をふまえ担当医の判断になります。効果的な使用のために、指定された服用法や日数を守るようにしましょう。

 薬物治療に加え、治療の基本は安静を保つことです。なるべく外出をひかえ、十分な睡眠と休養をとるようにしましょう。高い熱に伴い脱水になりやすいため、積極的に水分を補充することも大切です。ひとたびインフルエンザを発症すると、発症の前日から1週間ほど、鼻やのどからウイルスの排出が続きます。この期間は周囲に病気をうつす可能性があるため、せきやくしゃみが続いている場合は特に、マスクの着用を心がけるようにしましょう。

<アピタル:医の手帳・インフルエンザ>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/techou/(新潟大学医歯学総合病院 感染管理部 茂呂寛准教授)