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 大相撲九州場所(福岡国際センター)は26日、千秋楽を迎え、今年6場所の全日程を終えた。通算40度目の優勝を果たした横綱白鵬は表彰式でのインタビューで、横綱日馬富士による暴行問題について触れ、「力士の代表としておわびしたい」とした上で「日馬富士関と(殴られたとされる)貴ノ岩関を再びこの土俵に上げてあげたいと思う」と発言した。

 この問題では、日本相撲協会の危機管理委員会(委員長=高野利雄・元名古屋高検検事長)が事実関係を調査中で、現場に居合わせた白鵬自身も事情聴取の対象となっている中での異例の発言。同協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「(問題の調査は)危機管理委員会に任せている」と釘を刺すなど波紋が広がった。

 10月下旬に鳥取市内の飲食店で起きたとされる暴行の現場に同席していた白鵬については、鳥取県警と危機管理委が28日にも事情を聴く予定。白鵬は「場所後に真実を話し、うみを出し切る」と口にした後に、暴行された貴ノ岩だけでなく、日馬富士も土俵に復帰させたい自身の考えを示した。

 白鵬は問題発覚後の16日、一部関係者の証言として報道されていたビール瓶を使ったり、馬乗りになったりしての殴打を否定した。その後に鳥取県警と危機管理委からそれぞれ聴取を受けた日馬富士は、殴打について認める供述をする一方で、白鵬の証言と同様、ビール瓶や馬乗りは否定している。

 捜査関係者によると、これまでの県警の捜査で関係者の話は大筋で一致しているが、部分的な食い違いもあるという。県警は白鵬が語る内容を慎重に見極め、事実関係を詰める。また、被害届の提出時に事情を聴いた貴ノ岩から再聴取する方針を固めているとみられるが、必要があれば日馬富士らほかの関係者の再聴取も検討。鳥取県警は早ければ12月上旬にも日馬富士を傷害容疑で書類送検する方針。

 八角理事長はこの日の協会あいさつで、「皆様には多大なるご心配、ご迷惑をおかけしたことをおわび致します」と謝罪した。今回の問題で、協会トップとして直接ファンの前で口を開くのは初めてだった。28日にはスポーツ庁の鈴木大地長官を訪ね、事実関係や協会の対応について報告する。そのまま福岡に戻り、全関取を対象に再発防止に向けた講話を行う。

 ただ、全容解明には時間がかかりそうだ。27日に横綱審議委員会(委員長=北村正任・毎日新聞社名誉顧問)が開かれるが、危機管理委員からは調査の経過報告しかできない見込み。貴ノ岩の聴取を、師匠の貴乃花親方(元横綱)が拒否しており被害状況を把握できていないためで、横審の判断が出るかは不透明。30日には協会の理事会が予定されているが、関係者の処分決定に行き着く可能性は低いとみられる。

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