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 妊娠・出産は女性にしかできません。一方で、女性だけでもできません。そこには必ず男性の存在があります。

 そう考えれば、妊娠・出産についての「心構え」や「責任」は、女性も男性も同じようにわかちあうべきもののはずです。

 ただ、体に大きな負担がかかる女性に比べ、男性は当事者意識が希薄になりがち。出産に向き合う女性をうまく支えられないことも少なくないようです。取材中に何度も耳にしたこの指摘には、自省も込めてうなずかざるを得ません。

 連載に登場した放送作家の鈴木おさむさんは、妻の大島美幸さんが流産した際、自分の「無力さ」に直面したといいます。

 では、男性にできることは何か?

 流産の後、夫婦で「妊活」に取り組んだ鈴木さんは、妊娠・出産に関する知識を増やし、休業した妻に徹底して寄り添いました。さらに長男の誕生後、今度は自分が1年間休業する選択をしました。

 私も子どもがいますが、妻が出産した際には仕事が忙しく、ほとんどのことは妻任せでした。自分は何ができたんだろう。そう考えていたとき、取材した医師に言われました。

「家族に寄り添うべきタイミングは、別に妊娠・出産の時に限られているわけじゃないですよ。今だってできるんじゃないですか」

 「何を今さら」と言われそうですが、あらためて家族に感謝してみよう。取材を終えて、そんなふうに考えています。

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<アピタル:患者を生きる・妊娠・出産>

http://www.asahi.com/apital/special/ikiru/

(田之畑仁)

田之畑仁

田之畑仁(たのはた・ひとし) 朝日新聞記者

1998年朝日新聞社入社。富山支局、田園都市支局、東京本社・大阪本社科学医療部などを経て、2010年4月からアピタル編集部員。