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 経団連の榊原定征会長は29日、出身会社である東レの子会社で製品の品質データを改ざんする不正が発覚した事態を受け、東京都内で記者団の取材に応じた。「自分のひざ元でこうした事態が発生し、慚愧(ざんき)に堪えない。東レ相談役として心からおわび申し上げます」と述べた。

 榊原氏は神戸製鋼所や三菱マテリアルでデータ改ざんが発覚した後、企業倫理や法令順守の徹底を求め続けてきた。だが、東レで自らの社長在任中に不正が始まったことが判明し、「承知していなかったが、重く受け止めている」とした。

 東レの日覚(にっかく)昭広社長は発覚から1年以上も公表しなかった。公表前日に連絡を受けた榊原氏は「顧客対応を最優先した経営判断だった。判断は尊重するが、発覚した時点で公表するのが原則だ」と語った。

 榊原氏は今後、経団連の会員約1350社に対し、データ改ざんなどの不正が隠されていないか実態調査を求める考えだ。企業の隠蔽(いんぺい)体質が次々と露呈し、経団連や日本企業に対する国内外の信頼失墜への危機感からだ。だが、榊原氏の釈明はわずか6分半。記者からの質問は続いたが、経団連事務方トップの久保田政一事務総長が打ち切った。(山口博敬)