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 11月24~26日に鳥取砂丘(鳥取市)で開かれたスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」と連動した大規模イベントで、県は30日、経済効果を約18億円と発表した。砂丘への来場者数は各日最大1万人としていたが、3日間で想定の3倍近い約8万9千人。主催した県の想定を大幅に上回り、渋滞や違法駐車、マナー違反など課題もあった。

売り上げ720%

 県は同日、県庁で大砂丘観光協会や県観光連盟、鉄道、バス会社など民間の関係機関を交えた意見交換会を開いた。

 会議では、参加者数や経済効果について報告があった。砂丘への入り込みは24日は約2万1千人だったが、25日は約3万7千人、26日は約3万1千人でいずれも想定を大きく上回った。昨年11月の砂丘への入り込み客数は1カ月で約8万2千人で、3日間でその数を超えた。観光客が宿泊や食事、土産物などに使った観光消費額は約13億円と推計。新聞やテレビなどでイベントが報道されたことによるPR効果は広告換算額で約5億円に上るとした。大砂丘観光協会の会長代理で出席した山根弘司・砂丘フレンド社長は、売り上げが前年同期の720%で、大型連休中の5月3~5日と比べても140%で「ここ数年経験したことがない売り上げだった」。

 交通機関は軒並み混雑した。県交通政策課によると、鳥取へ向かう特急スーパーはくと、スーパーいなばはイベント前日の23日~26日で乗客ははともに前年比200%以上。米子へ向かう特急「やくも」も新見―米子間で約130%だった。米子発鳥取行きの快速「ポケモン号」も1日3便運行し、乗車人数はそれぞれ200人程度で、通常の数倍だったという。JR西日本米子支社の担当者は「広域的に観光客が流動し、県内で広く経済効果が生まれたのではないか」と話した。

「嵐吹き荒れ」

 想定を上回る来場者は渋滞やマナー違反を引き起こし、課題も指摘された。

 鳥取砂丘周辺の2300台の駐車場は早々に満杯になった。イベント2日目の25日未明には、砂丘前から渋滞が約3・6キロ生じた。早朝のシャトルバスの待機列もJR鳥取駅で約1千人、イオンモール鳥取北店で約500人に達した。さらなる混雑が予測されたため、想定していなかったイベントの県東部1市4町への拡大を急きょ実施。希少なポケモンが砂丘以外の場所にも現れるようになり、町中で歩きスマホをする人が横行した。

 鳥取市南吉方のJR因美線では25日午後、「線路内に10人程度の人が立ち入っている」と住民から110番通報があった。特急など上下計5本が最大約30分遅れ、約800人に影響が出た。鳥取署員が駆けつけた時には、人はいなくなっていたが、スマホを操作していたといい、ポケモンGOをしていた可能性もあるという。鳥取署が鉄道営業法違反の疑いで調べている。

 会議で、山根社長は「圧倒的に駐車場が少ない。臨時でも砂丘周辺の駐車スペースを増やすべきだった」と話した。また、地域住民への周知が不十分だったとし、「来年以降もやるのであれば、官民で十分打ち合わせすべきだ」と話した。取材に野川聡副知事は「3日間嵐が吹き荒れた。これだけのイベントは行政だけでは手に負えず、民間をまきこむ必要がある。次回実施するとしたら課題をクリアしないといけない」と述べた。(柳川迅)