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 民族差別的な発言で名誉を傷つけられたとして、在日朝鮮人のフリーライターの李信恵(リシネ)さん(46)が「在日特権を許さない市民の会」(在特会)と桜井誠・前会長に計550万円の損害賠償を求めた訴訟で、発言の一部を違法と認め、在特会側に77万円の賠償を命じた一、二審判決が確定した。最高裁第二小法廷(菅野博之裁判長)が29日付の決定で、在特会側の上告を退けた。

 2016年9月の一審・大阪地裁判決は、13~14年のインターネット放送などで、桜井氏が李さんについて「虚偽の事実を垂れ流している」「朝鮮人のババア」などと発言したことを「社会通念上、許される限度を超える侮辱行為にあたる」などと認定。差別の助長、増幅を狙ったものだと指摘し、人種差別撤廃条約の趣旨にも反するとした。

 今年6月の二審・大阪高裁判決は、これらの発言は「李さんの容姿をおとしめる表現が使われ、女性差別との複合差別にあたる」とも指摘し、一審判決の判断を支持した。

 李さんは30日の取材に対し、「女性差別や民族差別が認められて良かった。被害に遭っても訴えられない人は多い。今回を機に、行政はもっと、ヘイトスピーチ対策の支援や啓発に取り組んでほしい」と話した。(岡本玄)