天皇陛下が退位の意向をにじませたお気持ち表明から1年4カ月。1日に開かれた皇室会議を踏まえ、平成31(2019)年4月30日に「平成」が終わることが決まった。皇室会議は約25年ぶりの開催。会場となった皇居内の宮内庁は通行が制限されるなど緊張感に包まれた。

 宮内庁には午前9時過ぎから、安倍晋三首相や最高裁の寺田逸郎長官ら議員が続々と到着した。報道陣のフラッシュを受け、赤いじゅうたんが敷かれた階段を厳粛な面持ちで上った。皇族議員の常陸宮ご夫妻は別の入り口からともに車椅子で入った。NHKは朝から会議の様子などを伝える特別番組を放送した。

 会場となったのは宮内庁庁舎3階の特別会議室。広さ約120平方メートルの部屋は、板張りの床に、天井には大きな照明、暖炉を模した装飾が備わるなど、庁舎内でも特別感のある造りが特徴。壁には、日本画家・金島桂華(かなしまけいか)氏が描いた「鳴九皐(きゅうこうになく)」と題した鶴の絵が飾られている。

 過去にも、皇太子ご夫妻や秋篠宮ご夫妻の結婚を正式に決めた皇室会議が開かれた場所だ。最近では2014年9月、結婚で皇籍を離れた高円宮家の次女・千家典子さんへの一時金の額を決める皇室経済会議が開かれた。

 この日、宮内庁は静かな環境を確保するため、特別会議室がある3階部分や、3階に通じるエレベーターなどは職員も含め、通行や使用を禁止した。

 前回、皇室会議が開かれたのは1993年1月で、皇太子ご夫妻の結婚を審議した。「本日の案件は皇太子殿下と小和田雅子との婚姻に関するものでございます」と議案が朗読され、宮内庁長官がお二人の交際の経緯などを説明した。議員から質問はなく、開始から19分で採決があり、結婚が決まった。89年9月の秋篠宮ご夫妻の結婚に関する皇室会議も30分余りだった。

 皇室会議は今回で8回目だが、皇室に関する法律「皇室典範」に記載されたテーマ以外での開催は初めて。過去7回は宮家14人の皇籍離脱や、皇族方の結婚を審議するため、議員による採決があったが、今回は議員の考えを聴くもの。採決はない初のケースだ。

 天皇陛下は皇室会議が開かれた時間帯は皇居・御所で過ごした。皇室会議の終了後、宮殿で安倍首相から内奏を受け、会議内容の報告を受けた。午後は皇后さまと皇居内で清掃ボランティア「勤労奉仕団」との面会に臨み、その後国事行為の一つで内閣からの書類に署名押印する執務を行う。夜は16歳の誕生日を迎えた皇太子家の長女愛子さまのあいさつを受ける。