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平成とは 第1部:時代の転機 (3)幸福論

 昭和から活躍を続ける68歳のロックスター、矢沢永吉。矢沢にとって、平成は自己との対話を重ねることで、揺るぎない幸福論をつかみ取った時代だった。

 昭和から活躍を続ける68歳のロックスター、矢沢永吉。矢沢にとって、平成は自己との対話を重ねることで、揺るぎない幸福論をつかみ取った時代だった。

 「ハッピー?」を時代に問い続ける矢沢永吉が紅白歌合戦に初めて出たのは、2009(平成21)年の大みそかだ。放送担当としてNHKの舞台裏を取材していた私は、さっそうと通り過ぎた長身の男の影を見た。先月の武道館公演でも、同じことを感じた。

 「この人は若い。私よりも。私より若い人よりも」

 昨夜の紅白も、昭和から活躍し続ける歌い手が登場した。出場歌手が映す時代の姿は、昭和と平成で大きく異なる。それを音楽ジャーナリストの柴那典(とものり)(41)は「大小の袋」に例える。

 昭和から平成初期は、一つの大きな袋に、老若男女、誰もが知る人気歌手たちが詰まっていた。それが今世紀に入り、女性アイドルグループ、若手演歌歌手など、複数の小さい袋に分かれた。

 最近の紅白出場歌手は、それぞれの小さな袋から少しずつ選ばれる。視聴者は、興味のない袋の歌手を知らない。「普段から、SNSでも、小さな袋を共有する同士で対話する。共有しないメンバーでカラオケに行くと、ぎくしゃくするのには、そんな背景があるのではないか」

 確かに、大勢でカラオケに行く機会が減っている。私はひとりカラオケが長年の趣味なのだが、近ごろ受付で自分と同じような一人客をよく見かける。天皇誕生日の昨年12月23日夕、東京・渋谷に向かった。

     ◇

 カラオケ店が入る商業ビルから、1人ずつ出入りする男女が目立つ。一人でカラオケを楽しむ人たちだ。

 専門学校に通う女性(18)は進路に悩み、自信が持てず、勉強が手につかなくてカラオケに来たという。

 「私たちは自分らしさを問われ…

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