[PR]

 スイス・ジュネーブで開かれていた、絶滅のおそれがある野生動植物の国際取引を規制するワシントン条約(CITES)の常設委員会は1日、日本に国内での象牙管理の現状報告を求めることなどを盛り込んだ提言案を了承、閉幕した。日本政府は「国内の象牙市場は違法な取引を助長していない」との立場だが、国際社会が疑いの目を向けている。

 象牙をめぐっては、昨年の条約締約国会議で、違法な取引などを助長する市場の閉鎖が勧告された。

 1日に常設委で了承された提言案は、日本に対し、違法取引に対し監視を怠らないことや、締約国会議以降の違法取引撲滅に向けた取り組み状況を、来年10月にある次回の常設委に報告することなどを要請。条約事務局にも日本の取り組みを監視し、懸念のある場合は、次回常設委で取り上げるよう求めた。

 象牙の国際取引は原則禁止で、密猟象牙がテロリストの資金になっているなどとして、米中などは国内取引からも手を引く。日本は、国内の市場は閉鎖対象にはあたらず取引を続けるとの考えだ。だが、国内での違法取引や、中国へ違法に象牙を持ち出そうとした事例の摘発などが相次ぐ。アフリカの一部やNGOなどは批判を強めている。

 今回の常設委では、象牙取引に先だって、日本が北西太平洋で続ける調査捕鯨も批判を浴びた。条約で商業取引が禁止されているイワシクジラを捕獲して売っていることが「商業目的であり条約違反」との指摘が相次ぎ、実態把握のために日本へ調査団を派遣することなどを盛り込んだ勧告案も了承された。(小坪遊)