【動画】インタビューに答える「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長=グレゴワール・ソバージュ撮影
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 核兵器の非人道性を訴え、核兵器禁止条約の採択を後押ししたとして今年のノーベル平和賞に決まった国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN〈アイキャン〉)のベアトリス・フィン事務局長(35)が1日、10日の授賞式を前に朝日新聞と単独会見した。賞金を元手に新基金を作り、同条約の署名や批准をしない方針の日本などに対し、参加を求める活動を強化する方針を明らかにした。

 フィン氏は、米国の「核の傘」への依存にこだわる日本政府の姿勢は「核の威嚇を容認する考え方」と指摘。「広島や長崎で起きたことと同じことを他国にしようとすることにならないか」と疑問を投げかけた。

 また、「米国が北朝鮮を核兵器で完全に破壊すれば放射能が拡散し、影響は韓国、中国、日本にも及ぶ。(核使用は)現実的な選択肢ではない」と述べ、核使用禁止の国際的機運を高める必要性を強調した。

 北朝鮮が核・ミサイル開発を続けるなか「人々が脅威を実感している今こそ、(核の使用を国際法上禁じる条約の批准を)進める好機になる。米国ファーストではなく人類ファーストで考える時だ」と語った。

 7月に採択された核禁条約への署名は9月に始まり、現時点で批准は3カ国にとどまる。発効には50カ国の批准がいる。フィン氏は「2年以内の発効を目指す」とし、機運を盛り上げるため、ICAN内に新基金を設けるという。

 授賞式の10日を起点に千日で目標達成をとの意味を込め、「1千日基金」と名付けた。平和賞の賞金900万スウェーデンクローナ(約1億2千万円)を充てるほか、個人からの寄付も募る。基金はICANの協力団体の活動支援などに使い、各国政府や世論に働きかけて、条約批准を後押しする考えだ。条約で禁じる核兵器の開発・製造などに関わる関連企業や同企業に投融資するファンドや金融機関の調査や公表も進める。(ジュネーブ=石合力松尾一郎

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