【動画】福岡県朝倉市で、豊作や無病息災を願う伝統行事「おしろい祭り」があった=貞松慎二郎撮影
[PR]

 九州北部豪雨で甚大な被害が出た福岡県朝倉市の山あいにある大山祇(おおやまずみ)神社で2日、水で溶いた新米の粉を顔に塗りつけて豊作や無病息災を願う「おしろい祭り」があった。中止の懸念もあったが、何とか開催にこぎつけた。家屋を失った被災者らも参加し、復興に向けて思いを新たにした。

 300年以上続く伝統行事。白粉の付き具合がよいほど豊作になるとの言い伝えがある。氏子らは、顔がほてると粉の乗りがよくなるとして、お神酒や甘酒を酌み交わした。まっ白になった顔で神社はにぎやかな笑いに包まれた。泣いて嫌がる幼児もいた。

 豪雨で川からあふれた水に自宅を押し流され、同県うきは市のみなし仮設住宅で暮らす鬼塚哲己さん(64)は、富士子さん(60)とともに夫婦で参加した。「友達と会うのを楽しみにしていた」。真っ白な顔で、「一から出直します。もう戻ってこられないかもしれないけど、祭りには来ようと思う」と話した。

 祭りに使う田んぼも土砂被害に見舞われ、地域住民が協力して新米を用意した。座元代表として世話した黒木正司さん(69)は「良い付き具合だった。災害のない平穏な年になれば」と願いを込めた。(貞松慎二郎

関連ニュース