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 大みそかの閉園まで3週間ほどとなった北九州市八幡東区のテーマパーク、スペースワールド(SW)。1990年に製鉄所の遊休地に開園し、時代を映し出しながら、ファンや従業員らと27年間を歩んできた。

 「宇宙に親しみ、視野を広げ、豊かな心と未来への夢を育む場に」

 開業に向け関係者に配られた冊子には「鉄冷えの街の起爆剤」への期待と、来たるべき「宇宙時代」への高揚感がにじむ。80年代は米国がスペースシャトルの打ち上げを始め、開業した90年には日本人が初の宇宙飛行を果たした。

 「今こんなの持ってるの、僕くらいちゃうかな」。懐かしそうに冊子をめくるのはテレビ、演芸界のプロデューサー、沢田隆治さん(84)。宇宙をテーマにしたレジャー施設を構想していた新日鉄(現・新日鉄住金)に「知恵を貸して頂きたい」と声を掛けられ、88年に嘱託社員に就任。重厚長大な産業を担ってきた社員にエンターテインメントの「いろは」を説きながら、宇宙テーマパークの基本計画をまとめた。

 宇宙飛行士の訓練を体験できる「スペースキャンプ」や、宇宙への旅を体感するパビリオンなど、新日鉄側は「宇宙を学ぶ」施設にこだわったという。

 「鉄は国家なり」と自負してきた企業が、これからは「宇宙は国家なり」と考えたのでは――。沢田さんはそう振り返る。自前で宇宙飛行士を育て、宇宙コロニーを手がける構想を幹部から聞いたこともある。

 SWの歩みと「平成」はほぼ重なる。経済低迷が続いた時代を通して、日本人は宇宙という大きな夢を見られなくなっていったのかもしれない。「新日鉄の手を既に離れてはいるが、SWの閉園はその象徴のように思う」

 閉園を前に、沢田さんは久しぶりにSWに足を運ぶことにしている。夢の跡が今どうなっているか。自分の目で確かめるつもりだ。

■成人式も結…

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